【6つの要因が鍵】猫用ウェットフードの頻度を論文をもとに徹底解説!

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【6つの要因が鍵】猫用ウェットフードの頻度を論文をもとに徹底解説!

ウェットフードを与える頻度を決める要因は、「年齢」「好み」「個体差」「健康状態」「体格」「環境」の6つがあります。愛猫の置かれている状況をよく観察して適切な種類のウェットフードを、適切な頻度で与えるようにしましょう。

「ウェットフードを与える頻度を知りたい」

「ドライフードの代わりになるの?」

様々な状況によって、愛猫に合ったウェットフードを「食べさせてみようかな…」と思うけど、どのくらい与えていいのか分からずに、困ることがあるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、猫くらし歴14年の経験と猫の栄養学の論文をもとに、ウェットフードを与える頻度を6つの要因別に詳しく解説しています。

また、そもそものウェットフードの特徴や、知る人ぞ知るおすすめのウェットフードまでも紹介。

ぜひ最後まで目を通してもらって、愛猫に合ったウェットフードと最適な頻度を見つけに行きましょう!

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ウェットフードの頻度に決まりはなくドライフードの代わりに与えても大丈夫!

ウェットフードの頻度に関する決まりは特になく、猫の食事においてドライフードの代わりにウェットフードを与えることは安全で、特に問題はありません。

これは猫の祖先であるリビアヤマネコが、主食の一つである体重の半分以上の水分を含むハツカネズミを食べていたことからもわかります。

ただし、ウェットフードにはドライフードと違った特徴があるため、適切な量と頻度を猫の健康状態や環境によって変える必要があります。

ウェットフードの最も特徴的な点は「低いカロリー密度」

ウェットフードとドライフードの主な違いは、水分量の違いによる「低いカロリー密度」にあります。

低いカロリー密度の理由は、ウェットフードは全体の70%~90%の割合で水分を含んでいて、カロリー摂取源である水分以外の原材料の割合が少なく同じ重さあたりのカロリーがドライフードより少ないとうことです。

ウェットフードをメインで食べていると、ドライフードに比べてより多くの量を食べても全体のカロリー摂取量が抑えられる傾向があり、様々な影響が考えられます。

ただし、猫の状態や環境に合わせて適切な選択をしないと、健康に悪影響が出てしまうことがあるので注意が必要です。

ウェットフードの頻度を決める要因

6つの要因

ウェットフードを与える頻度を決める要因は、「年齢」「好み」「個体差」「健康状態」「体格」「環境」の6つがあります。

  • 「年齢」:必要な栄養素や食欲の変化があるため
  • 「好み」:ドライタイプを食べない猫がいる
  • 「個体差」:そもそも水をあまり飲もうとしない場合がある
  • 「健康状態」:病気によって、水分補給が必要である
  • 「体格」:肥満ぎみでカロリーを控える必要がある
  • 「環境」:水分が不足する環境にある

このように猫によっていろんな要因が考えられ、ウェットフードを与える頻度を適正に変えなければなりせん。

一緒に住んでいる愛猫にも該当する項目があるのではないでしょうか?

このあとでは「年齢」「好み」「個体差」「健康状態」「体格」「環境」の6つ要因ごとの頻度を解説していきます。

要因ごとのウェットフードを変える時の頻度

「年齢」「好み」「個体差」「健康状態」「体格」「環境」の6つ要因ごとに、ウェットフードを与えるときの頻度を解説します。

基本はメインのごはんとなる総合栄養食となります。おやつの場合はたまにご褒美程度に与えることを意識して与えるようにしましょう。

年齢によって変える場合の頻度

  1. 子猫(0~12ヶ月): 4~5回/1日

子ねこは成長期のため高い栄養素量が必要です。ただ胃の大きさがまだ大きくなっていないため、少量ずつ回数を増やして与えてください。

  • 成猫(1~7年): 2~3回/1日

成猫は適正な体重を維持するようにウェットフードを摂取する必要があります。体重を計りながら適正体重を維持できるように2~3回程度に分けて与えるようにしてください。

  • 高齢猫(7年以上): 2~3回/1日

成猫と同様に、2~3回程度に分けて与えてください。ただし、体調の変化によってあまり食べない日があったりするので、無理に与えすぎないようにしましょう。あまり食べない場合はエネルギー量がさらに高い、高エネルギーフードも検討してください。

好みによって変える場合の頻度

ポイント

特定の頻度は無いが、体重の維持に注意。

好みによって変える場合は、特に特定の頻度は気にしなくて大丈夫です。

いつも通りの食事の代わりに年齢ごとに合った回数を与えるようにしましょう。

ただし気付いたら体重が落ちているなんてことも考えられるため、ガツガツ食べているから大丈夫と過信しないで、体重が維持できているか適度に測りながら気にしてあげてください。

健康状態によって変える場合の頻度

病気になってしまった場合は獣医師の判断で与えなければならないですが、腎臓の数値が少し悪化しているなどの場合もあります。

そういった場合、重要なのは「水分補給」をとにかく優先することです。

ポイント

頻度は多めで、水分補給を最優先する。

「ウェットフードに水分がたくさん含まれているから大丈夫」ではなく、しっかりと食べているかを確認するようにしてください。

多頭飼いでは、違う猫が食べていることも考えられるので、しっかりと水分を取ってほしい猫が食べていることを確認するようにしましょう。

どうしても食べない場合は、スープタイプを試したりお湯で薄めてみたりして、何とか水分だけでも出来るだけ取る工夫をしてください。

体格によって変える場合の頻度

肥満気味の猫にダイエット目的でウェットフードを与える場合は、頻度は通常通りであたえて一回の量を調整し、1週間あたり体重の1~3%程度の体重を減らすように計画を立てることが重要です。

「一般に、1週間で1から3%の体重を減少させるような減量プログラムを作成することが理想的である」

古瀬充宏 ・村井篤嗣著 ペット栄養学会誌 p84 1999

体重が5kgの猫が4kgまで減量しようとしたら、1週間で50g~150g程度体重を減らすように計画するということです。

計算が面倒であれば、今与えている60%~70%程度の量を与えてみて、1週間後に体重を量りどのくらい減っているかを確認して調整するという方法が簡単です。

「一般に、現在の体重を維持するために必要なエネルギーの60-70%に相当する食餌を給与すれば十分に減量の効果が期待できる」

古瀬充宏 ・村井篤嗣著 ペット栄養学会誌 p84 1999

絶食はしないようにする

犬のダイエットは絶食をするという手段を取ることもありますが、猫の場合は危険なのでしないようにしてください。

猫は食事をとらないことで急速に体重が減少し、それに伴い体の脂肪が肝臓に移動して蓄積される病気の「肝リピドーシス」が引き起こされます。

「ネコに絶食を施すと体重のうちの除脂肪組織重量が急激に減少する上、肝臓に脂肪が蓄積する肝リピドーシスを引き起こすため大変危険である」

古瀬充宏 ・村井篤嗣著 ペット栄養学会誌 p84 1999

環境によって変える場合の頻度

室温が高い環境では脱水症状になりやすく、またお皿に入れてある水分も蒸発しやすくなっています。

ただし、ウェットフードの頻度や量を増やしてしまうとエネルギーを多めにとってしまうことに繋がるため、頻度を増やすことは避けたいところです。

ポイント

暑くても頻度は増やさず、種類を変えてみる

室温が高く、いつもより水分を多く与えたい場合のウェットフード選びは種類を変えることで調整をしてみてください。

ウェットフードはタイプ別に様々な種類があり、水分量も違っています。

種類水分量エネルギー
70gあたり
MiawMiaw
グレービー
サーモン
85.1%50kcal
MiawMiaw
クリーミー
ほたて
90.6%33kcal
MiawMiaw
ジューシー
まぐろ入り
88%46kcal
AIXIAアイシアの商品例

ウェットフードのメリット・デメリットと注意点

ウェットフードは水分量が多い反面、傷みやすく注意が必要な点もあります。

ここではそんなウェットフードのデメリットと注意点をあげていくので、ウェットフードを扱う時の参考にしてください。

横にスクロールできます

メリットデメリット
〇自然の獲物に似た栄養組成
 ・高水分、高タンパク質、低炭水化物

〇牛や豚、家禽肉、魚肉など選択肢が多い
 ・歯のかみ合わせ、咀嚼にやさしい

〇母猫の水分補給に役立ち、母乳産生につながる
〇水分量が多く、糖尿病や下部尿路疾患、膀胱炎管理に役立つ
〇未開封で長期保存可能
〇傷みやすく、置き餌ができない
〇開封後は、保存がきかない
〇栄養組成が商品によって違う場合がある
〇高繊維食では嗜好性が悪い
〇パッケージが似ている一般食と間違えやすい
〇リンや塩分濃度が高い商品がある
〇価格が高い傾向があり、経済的ではない
参考:坂根 弘著 ペット栄養学会誌 p.141 2018

注意点

  • 開封後の保存がきかないため、開けたらその場で使い切るようにする
  • 目的に合った「総合栄養食」か「一般食」を選択する
  • リンや塩分濃度をメーカーのHPか問い合わせで確認する
  • 病気の可能性があるときは自己診断をしないで、獣医師に相談する

以上のようにメリット・デメリットがあります。またそこからくる注意点にも気を付けながら、愛猫に合ったウェットフードを選んであげましょう。

猫用ウェットフードおすすめ6選

ここでは状況別におすすめのウェットフードを紹介します。

ウェットフードはとても種類が多いため、すべての商品は残念ながら紹介できませんが、気になる商品が合ったらぜひ試してみてください

タイプ「その他の目的食」

水分補給におすすめ
①「メディファス スープ 水分補給」

商品名<メディファス>スープ 1歳から しらす・かつお節入り
タイプ副食
対象全猫種・1歳~
水分量97%以下
エネルギー14kcal/40g
タンパク質3.7%以上
脂質0.1%以上
原材料魚介類(まぐろ、しらす、かつお節、まぐろエキス)、肉類(鶏ささみ)、糖類(上白糖)、オオバコ繊維、酵母エキス、ビタミンE、ミネラル類(カルシウム、リン)
原産国日本
内容量40g

水分量が97%と非常に多く、水分補給に最適な商品です。

また体への吸収を考え、体の体液に合わせた浸透圧に調整されています。

タイプ「その他の目的食」

水分補給におすすめ
②「アイシア 健康缶パウチ 水分補給」

商品名国産 健康缶パウチ 水分補給 かつおペースト
タイプ一般食
対象全猫種・生後6カ月~
水分量91.4%以下
エネルギー14kcal/40g
タンパク質6.1%以上
脂質0.2%以上
原材料魚介類(カツオ、まぐろエキス)、でん粉類、たんぱく加水分解物、果糖ぶどう糖液糖、増粘多糖類、グリシン、クエン酸Na
原産国日本
内容量40g

メディファススープと比較すると水分量は少ないですが、それでも90%を超える水分量で、水分補給に適している商品です。

水分量がメディファスより控えめですが、その分タンパク質と脂質が高く、水分補給と同時に栄養補給もできます。

タイプ「栄養補完食」

栄養補給におすすめ
③「犬猫生活 高エネルギーピューレ」

商品名猫用 高エネルギーピューレ
タイプ栄養補完食
対象全猫種・全年齢
水分量73.5%以下
エネルギー16kcal/12g
タンパク質9.5%以上
脂質7.5%以上
原材料鶏肉<日本>、MCT(中鎖脂肪酸油)<日本>、米粉<日本>、乳たん白<アイルランド>、真アジ<日本>、かつお節粉末<国内製造>、寒天<国内製造>、亜鉛含有酵母、セレン含有酵母、マンガン含有酵母、パン酵母、銅含有酵母、タウリン、ビタミン類(C、ナイアシン、E、パントテン酸Ca、ビオチン、B1、B6、A、B2、葉酸、D、B12)、ピロリン酸鉄
原産国日本
内容量12g×30本

犬猫生活高エネルギーピューレは、高齢猫や食が細くなってしまった猫にエネルギーを補給することを目的に作られた商品です。

そのため水分量は73.5%と低いものの、エネルギー量は12gあたり16kcalとかなりの高エネルギー。

脂質も7.5%と高く、高齢猫や食が細くなった猫に向いています。

詳しく知りたい方は「【徹底調査】口コミと実物で犬猫生活3種のピューレがまる分かり!」の記事でも紹介しているので、そちらも併せてご覧ください。

【徹底調査】口コミと実物で犬猫生活3種のピューレがまる分かり!

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タイプ高級「主食」

メインの主食におすすめ
④「カナガンキャットフード ウェット」

商品名カナガンキャットフード チキン&サーモン ウェットタイプ
タイプ主食
対象全猫種・全年齢
水分量78%以下
エネルギー94.87kcal/100g
タンパク質16.5%以上
脂質1.8%以上
原材料チキン生肉58%、水31%、サーモン5%、タピオカ、ヒマワリオイル、増粘安定剤(キサンタンガム)、ミネラル類、タウリン、ビタミン類
原産国タイ
内容量75g×12缶

毎日の主食に使えるカナガンキャットフードウェットは、水分補給もできる万能キャットフードです。

原材料もシンプルで猫の食性に合ったチキンを使用し、その他不要なものは一切入っていません。

価格は少し高めですが、総合栄養食ドライフードの代わりのウェットフードを探している場合に、向いている商品です。

タイプ介護用「総合栄養食」

栄養補給におすすめ
⑤「アイシア 健康缶パウチ 介護用高栄養食」

商品名国産 健康缶パウチ 介護用高栄養食 スプーンで与えるまぐろペースト
タイプ総合栄養食
対象全猫種・シニア猫
水分量73.5%以下
エネルギー45kcal/30g
タンパク質9.1%以上
脂質7.8%以上
原材料魚介類(マグロ、まぐろエキス)、油脂類(大豆油、DHA含有精製魚油、中鎖脂肪酸油)、でん粉類、酵母エキス、たんぱく加水分解物、オリゴ糖、コラーゲンペプチド、乾燥酵母、ミネラル類(Ca、P、K、Cl、Fe、Cu、Mn、Zn、I)、増粘多糖類、ビタミン類(A、D、E、K、B1、B2、B6、B12、パントテン酸、葉酸、ビオチン、コリン)、タウリン、グルコサミン
原産国日本
内容量30g

タンパク質9.1%、脂質7.8%と非常に高エネルギーで、食が細り栄養素が足りないシニア猫用のウェットフードです。

スプーンから落ちにくい硬さのペーストタイプで、寝たきりの猫の口元に運んで与えることが出来ます。

あまり食べなくて栄養が足りていない猫ちゃんにおすすめの商品です。

タイプ高級「おやつ」

毎日のおやつにおすすめ
⑥「モグリッチ」

商品名モグリッチ
タイプおやつ
対象全猫種・全犬種・全年齢
水分量90%以下
エネルギー7.14kcal/14g
タンパク質5.5%以上
脂質0.6%以上
原材料チキン生肉58%、水31%、サーモン5%、タピオカ、ヒマワリオイル、増粘安定剤(キサンタンガム)、ミネラル類、タウリン、ビタミン類
原産国タイ
内容量14g×14本×3袋

チキン生肉を58%使用し、すべての原材料がヒューマングレードのおやつ用ウェットフードです。

水分量も90%あり、水分補給も同時に行えます。

おやつのため食べすぎには注意が必要ですが、少しリッチなおやつを探している人に向いている商品です。

ウェットフードの頻度解説のまとめ

ウェットフードを与える頻度について紹介しました。

下記は、記事の内容をまとめた一覧です。

内容のまとめ一覧

  • ウェットフードの頻度に決まりはなくドライフードの代わりに与えても大丈夫
  • ウェットフードの最も特徴的な点は「低いカロリー密度」
  • ウェットフードを与える頻度を決める要因は、「年齢」「好み」「個体差」「健康状態」「体格」「環境」の6つ
  • 子猫 : 4~5回/1日 成猫 : 2~3回/1日 高齢猫 : 2~3回/1日
  • 絶食はしないようにする
  • 暑くても頻度は増やさず、種類を変えてみる
  • 開封後の保存がきかないため、開けたらその場で使い切るようにする
  • 目的に合った「総合栄養食」か「一般食」を選択する
  • リンや塩分濃度をメーカーのHPか問い合わせで確認する
  • 病気の可能性があるときは自己診断をしないで、獣医師に相談する

様々な状況によってウェットフードが必要になることがあります。

愛猫の状態をよく観察してあげて、愛猫に合ったウェットフードを適切な頻度で与えるようにしましょう。

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