【数値で比較】猫用ピュリナワンとロイヤルカナンを徹底実物レビュー！

ピュリナワンとロイヤルカナンは、日本で売られているキャットフードの中で、知名度で1位2位を争うほどの誰もが知っているブランドでしょう。

しかし価格も近く比較対象になりながらも、その違いについては意外と知らないものです。

この記事ではピュリナワンとロイヤルカナンの違いを、詳細な成分値のデータから読み取ることができた差と、原材料の配合割合による一致率の違いによる特徴を徹底解説しています。

ぜひ最後まで目を通してもらって、愛猫のために最適なキャットフードを探していきましょう！

炭水化物(糖質)を控えたい場合は「ピュリナワン」、目的ごとに細分化された種類を選びたい場合は「ロイヤルカナン」

ピュリナワンとロイヤルカナンは、どちらも有名なキャットフードですが、その一番の大きな違いは「炭水化物」と「目的別に細分化された種類」にあります。

以下はピュリナワンとロイヤルカナンの炭水化物量を示したグラフです。

ピュリナワンの炭水化物量は最小値は21.5%で最大値は28.5%で、最大でも30％を切っています。

一方ロイヤルカナンの炭水化物量は、最小値でこそ21.9%とピュリナワンとほぼ同じですが、最大値では45.2%と大幅に多くなっている状況です。

ロイヤルカナンは穀類が中心のレシピのため、どうしても炭水化物(糖質)が多くなります。

炭水化物が多いと猫の健康に影響がある

猫にとって炭水化物(糖質)が多いフードは、あまりおすすめできません。

おすすめできない理由に、

• 消化器官が炭水化物の消化を苦手としている
• 猫本来の食事にはほぼ炭水化物がなかった
• 炭水化物が多いと結石リスクに影響がある

この3つがあります。

理由を説明すると、猫の体内で炭水化物を分解する酵素が小腸や唾液中、すい臓で不足していてる点^①があげられます。

猫の小腸では、二糖類の分解酵素の活性が低く唾液中ではアミラーゼが少なくなっています。またすい臓ではアミラーゼ量が犬のわずか5%しかありません(小宮山 2020 猫の最適な食事について)。

猫の小腸ではスクラーゼ、ラクターゼなどの二糖類の分解酵素の活性が低い（Kienzle1993）、猫の唾液中にはアミラーゼがありません

小宮山典寛著 猫の最適な食餌について 2020

また猫本来の野生時の食事の栄養バランスは、ハツカネズミを例に挙げると「水分60%、脂質18%、タンパク質17%、ミネラルビタミン4.5%、糖質0.5%」^②でした。

その他には猫の栄養学の発表論文の中の研究結果でも、炭水化物に含まれるデンプンがストルバイト結石のリスクをあげることが分かっています。

デンプンには尿pHを上げる効果があること、デンプンと不溶性食物繊維に塩酸不溶性尿沈渣濃度を上げる効果があることが分かった[27]。したがって、炭水化物は潜在的にストルバイト結晶化を促進する可能性があり、高タンパク質のフードのストルバイト結晶化リスク低減のうちいくらかは炭水化物量の低下によるものだと考えられる。

船場正幸,阿部又信著 ペット栄養学会誌 p.90 2012

ロイヤルカナンを選ぶのは細分化された目的が合致した時

炭水化物が多いロイヤルカナンは猫の体にとってあまりおすすめは出来ませんが、調整された栄養バランスは優れていると言えるでしょう。

それを証明しているのは、目的別に細分化された栄養バランスごとの種類の多さにあります。

以下はピュリナワンとロイヤルカナンの種類の一覧です。

ロイヤルカナンは実に多くの種類があることが分かりますね。もちろん種類ごとに栄養バランスは調整されています。

ピュリナワンは一般的な種類の多さですがあり、決して少ないわけではありません。ロイヤルカナンが多すぎるだけです。

特定の目的に合致した時は、ロイヤルカナンを選択することをおすすめします。

ただそれでも穀類が主体には変わりはないので、炭水化物を控えたい場合はピュリナワンをおすすめします。

ピュリナワンにはグレインフリーがある

種類の多さだけで言えば、圧倒的にロイヤルカナンの軍配が上がりますが、グレインフリーはピュリナワンしか用意されていません。

穀類が苦手な猫ちゃんや穀類アレルギーが気になる猫ちゃんの場合は、ピュリナワン一択となります。

グレインフリーで細かい成分値にもこだわりたい人は「グランツ」がおすすめ

私がおすすめする成分バランスが良く、公表性も高いキャットフードは「グランツキャットフード」です。

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その理由を説明します。

おすすめの理由①　公表性が高い

成分バランスだけがいいキャットフードなら数多くあれども、公表性も高いとなれば話は別です。

下記は公式ホームページで公表されている成分値一覧です。

単位の%、以上、以下は省略

項目	グランツ チキン＆サーモン	カナガン チキン	犬猫生活 オールステージ 国産の生鶏肉	ピュリナワン インドアキャット チキン	ニュートロ ナチュラルチョイス 室内猫用 アダルトチキン	ロイヤルカナン インドア
マグネシウム	0.09	ー	0.13	0.12	ー	ー
ナトリウム	0.6	ー	0.28	ー	ー	ー
カルシウム	1.6	1.58	1.41	0.6	0.9	ー
リン	1.1	1.1	1.08	0.5	ー	ー
オメガ6	0.7	2.99	1.95	1.2	3	ー
オメガ3	0.5	0.82	0.58	0.01	ー	ー
原料％	脱水チキン 30 フレッシュチキン 15 脱水サーモン 14 チキンファット 10 チキンプロテイン 2 サーモンオイル 0.8	乾燥チキン 35.5 チキン生肉 25 チキンオイル 4.2 乾燥卵 4 チキングレイビー 2.3 サーモンオイル 1.2	ー	ー	ー	ー

すべてのキャットフードを紹介は出来ないのであくまで一例ですが、よく目にする有名なキャットフードと比較して、グランツの公表性が高いことが分かります。

もちろん書かれていないからといって、ここで紹介しているキャットフードはどれも一流メーカーによるものであり、成分値はおそらく基準通りの配合量が保障されていることでしょう。

しかし消費者目線での「愛猫のために安全なキャットフードを選びたい」という気持ちに対しての公表性には、少しばかりの差を感じざるを得ません。

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おすすめの理由②　エネルギー量が多すぎず少なすぎず

グランツには3種類あり、それぞれのタンパク質、脂肪、エネルギー量が多すぎず少なすぎず丁度よく調整されている点です。

以上・以下は省力

項目	グランツ チキン＆サーモン	グランツ チキン	グランツ サーモン
タンパク質	36%	32%	32%
脂肪	17%	15%	16%
エネルギー	361kcal	358kcal	361kcal

最近多くネット上で見かける高価なキャットフード。

比較的高エネルギーで高タンパク高脂肪の商品が多め、中には少なめの商品もあります。

• カナガン　チキン
  • タンパク質：34%
  • 脂肪：16.7%
  • エネルギー：405kcal
• モグニャン
  • タンパク質：27%
  • 脂肪：11%
  • エネルギー：379kcal
• ロニー
  • タンパク質：36%
  • 脂肪：20%
  • エネルギー：410kcal

ここで比較している商品はあくまで一部ですが、それでもグランツの多すぎず少なすぎず丁度よく調整されていることが分かります。

もちろん猫によって適正な成分バランスは変わってくるので、万猫(万人)受けする訳ではないですが、数多くの猫にマッチするのは間違いない事実です。

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おすすめの理由③　内容量が少なくいつまでもおいしい

グランツキャットフードのサイズは全て500gです。

良質なキャットフードの中で、500gという内容量はそうそうありません。

なぜならコストが高くなるからです。

種類	内容量
グランツキャットフード	500g
カナガン	1.5kg
モグニャン	1.5kg
ロニー	1.8kg
愛情ごはん	1.0kg

有名なキャットフードと比較しても、その違いがはっきりと分かります。

内容量が少ないということは、その分開けてから使い切るまでの期間が短くなる。

その結果おいしいまま使い切ることが出来るということです。

500gでこの品質はなかなか見ないよね

こんなフードそうそうありません。グランツを試してみない人はきっと後で後悔しますよ！

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【写真付き】現物を5つの項目で徹底比較！

ここでは実際の現物を比較していきます。今回比較した種類は「ピュリナワン 室内飼い猫用」と「ロイヤルカナン 室内で生活する成猫用」を比較しました。

比較した項目は「切り口」「包装」「賞味期限の表示」「大きさ」「厚み」の5項目について調べました。

• 切り口
• 包装
• 賞味期限の表示
• 大きさ
• 厚み

結果は開けやすさでは切り口があるロイヤルカナンがリード、包装では個包装があるピュリナワンが使いやすいと感じました。

また大きさはピュリナワンが小さめの粒で食べやすそうな印象ですが、ロイヤルカナンは少し厚みがあり猫ちゃんによっては食べにくい場合があるかもしれません。

ただ逆に小さすぎると食べてくれない猫ちゃんもいるので、猫ちゃんの好み次第と言えそうです。

それでは実際の写真をご覧ください。

切り口による開けやすさの違い

包装による使いやすさの違い

賞味期限の記載の違い

大きさによる食べやすさの違い

切り口による開けやすさの違い

吐き戻しの原因になる膨張率の違い

愛猫が食べた直後に吐くことを、少なからず一度は経験をしたことがありませんか？

吐く原因には様々な要因が絡んでいるため一概には言えませんが、要因の一つにドライフードが膨張してしまってお腹が膨れてしまうことがあります。

ここではそんな膨れ具合を調査し比較してみました。

行った検証方法は、

• 粒の大きさを計測する
• ぬるま湯に30分つける
• つけた後の大きさを計測する

の手順で計測しました。

結果としてはそれほど大きな差はありませんでしたが、ピュリナワンの方がやや膨張率が高めでした。ただ元の大きさが小さいことと、崩れ安ではピュリナワンの方が崩れやすかったので、互角の結果と言えそうです。

それでは実際の写真をご覧ください。

つける前の大きさの違い

つけた後の大きさの違い

つける前の大きさの違い

総合した評価では、そもそもの大きさが小さいピュリナワンの方が、吐き戻しの可能性が低いといえます。

あくまで大きさによる結果ですが、今食べさせている粒の大きさを確認して11㎜～13㎜程度で吐いていないのであればどちらでも構わないし、吐いてしまっている場合は小さめのピュリナワンを試してみてください。

愛猫の負担にもつながるため、良い結果が出ることを願っています。

ピュリナワンとロイヤルカナンを"7つ"のショップで価格を徹底比較！

ここではピュリナワンとロイヤルカナンの販売価格を比較していきます。

ただピュリナワンとロイヤルカナンの商品は、同じような種類のもので似た価格のものがたくさんあるため、すべての販売価格を調査する必要性はありません。

今回は代表的な種類として「室内猫用タイプ」を選択しました。

下記が、各ショップごとピュリナワンとロイヤルカナンの価格比較表です。

ショップと内容量	ピュリナワン	100gあたり	ロイヤルカナン	100gあたり
Amazon 400g	ー	ー	1,330	332.5
2kg	2,100	105	ー	ー
4kg	ー	ー	6,700	167.5
10kg	ー	ー	14,799	148
4.4kg	4,698	106.8	ー	ー
楽天市場 400g	ー	ー	1,500	375
2kg	2,625	131.3	3,480	174
4kg	ー	ー	5,487	137.2
10kg	ー	ー	12,500	125
yahoo!ショッピング 400g	ー	ー	ー	ー
2kg	2,180	109	3,742	187.1
4kg	ー	ー	5,958	149
10kg	ー	ー	12,320	123.2
auペイマーケット 400g	ー	ー	ー	ー
2kg	2,398	119.9	3,925	196.3
4kg	ー	ー	6,360	159
10kg	ー	ー	12,544	125.4
ペットゴー 400g	ー	ー	ー	ー
2kg	2,771	138.6	ー	ー
4kg	ー	ー	ー	ー
10kg	ー	ー	ー	ー
イオンペット(PETEMO) 400g	ー	ー	1,857	464.3
2kg	3,808	190.4	5,306	265.3
4kg	ー	ー	8,846	221.2
10kg	ー	ー	19,572	195.7
チャーム 400g	ー	ー	1,485	371.3
2kg	2,910	145.5	3,702	185.1
4kg	ー	ー	5,732	143.3
10kg	ー	ー	12,074	120.7
ビックカメラ 400g	ー	ー	ー	ー
2kg	ー	ー	ー	ー
4kg	ー	ー	ー	ー
10kg	ー	ー	ー	ー

少しわかりずらいかもしれません。グラフでも2kgに絞って100gあたりの価格で表示してみます。

赤色のグラフがロイヤルカナンの100gあたりのショップごとの価格で、青色のグラフはピュリナワンの100gあたりのショップごとの価格です。

こうやって見ると違いが分かりますね。

ほとんどの種類とショップでロイヤルカナンの価格が高くなっていて、低価格を基準に比較した場合はピュリナワンが一歩リードしています。

それでは次に、栄養バランスについて比較してみましょう。

栄養バランスの比較

栄養バランスの違いを一言で表すと、ピュリナワンは高タンパクで低炭水化物であり、ロイヤルカナンは高エネルギーの高炭水化物です。

以下が栄養バランスの違いの一覧表です。

項目	ピュリナワン 全種の平均	ロイヤルカナン 全種の平均
タンパク質(DM)	40.7%	32.9%
脂質(DM)	14.8%	16.6%
炭水化物	26.3%	33.4%
エネルギー	365.2kcal	396.8kcal

もちろん種類ごとに違いがあるので、すべての種類には当てはまりませんがピュリナワンとロイヤルカナンの全種類を比較すると傾向が見えてきます。

猫本来の食性に近い高タンパクなピュリナワン

猫の祖先である野生の猫は、高タンパクで低炭水化物の食事をしていたとされています。

その食事バランスに近いのがピュリナワンです。

やはり主原料が穀類が中心のロイヤルカナンでは、どうしても炭水化物量が多くなってしまいます。

その点ピュリナワンの主原料はチキンなどの肉類のため、高タンパクで低炭水化物を実現できていると推測できます。

エネルギーを多く保有しているのはロイヤルカナン

エネルギー量を比較すると、ピュリナワンと比べてロイヤルカナンが平均で約30kcal高くなっています。

エネルギー量は、商品の種類や与える目的によって調整されているため一概には言えませんが、平均するとロイヤルカナンの方が高エネルギーと言えるでしょう。

どちらか迷っている場合は出来るだけエネルギー量を抑えたい場合はピュリナワン、高エネルギーのフードを探しているのであればロイヤルカナンから探してみる方法もありと言えそうです。

脂質量は種類によって違うが大差はない

ピュリナワンとロイヤルカナンの脂質量の差は、それほど大きくない結果です。

ピュリナワンとロイヤルカナンというブランドの違いからは、脂質量に大きな開きはありません。

もちろん種類ごとに差があるので、選ぶ時には愛猫の状態に合わせた脂質量を確認してから選択するようにしてください。

種類ごとの詳しい成分値を知りたい方は、下記の【タップで開く】の項目からご覧になってください。

さて、この次では原材料の内容を詳細に分析し、ピュリナワンとロイヤルカナンの違いを見ていきましょう。

ピュリナワンとロイヤルカナンの原材料を詳細比較！

原材料の違いは、ピュリナワンとロイヤルカナンともに種類ごとに見ると細かな点では違いがありますが、大きな違いがないため全種類の比較は必要ありません。

そのためここでは、大きく3つの「室内用」「下部尿路用」「減量用」の目的別に種類をピックアップして、原材料の特徴を分析を実施しました。

結果としては、ピュリナワンは添加その他で栄養バランスを調整している傾向があり、ロイヤルカナンは原材料全体で栄養バランスを調整している傾向が分かりました。

このことからより栄養素のバランスを目的別に合った、原材料を使い分けている傾向が強いのはロイヤルカナンと言えます。

分析の詳細は、すぐ下の表にまとめてあるのでご覧になってください。

まずはピュリナワンの3種類の原材料一覧です。

室内飼い猫用 インドアキャット チキン	下部尿路の健康維持 F.L.U.T.H.ケア チキン	メタボリックエネルギー コントロール チキン
チキン チキンミール コーングルテン 小麦 食物繊維（ビートパルプ、ライスファイバー、セルロース、可溶性繊維) 米 脱脂大豆 鶏脂 小麦たんぱく 大麦 フィッシュミール たんぱく加水分解物 酵母 ミネラル類（カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、クロライド、マグネシウム、鉄、銅、マンガン、亜鉛、ヨウ素、セレン） カラメル色素 ビタミン類（A、D、E、K、B1、B2、パントテン酸、ナイアシン、B6、葉酸、ビオチン、B12、コリン、C） アミノ酸類（メチオニン、タウリン）	チキン チキンミール コーングルテン 小麦 米 脱脂大豆 鶏脂 フィッシュミール 大麦 とうもろこし 小麦たんぱく たんぱく加水分解物 可溶性繊維 魚油 酵母 ミネラル類（カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、クロライド、マグネシウム、鉄、銅、マンガン、亜鉛、ヨウ素、セレン） ビタミン類（A、D、E、K、B1、B2、パントテン酸、ナイアシン、B6、葉酸、ビオチン、B12、コリン、C） アミノ酸類（メチオニン、タウリン）	チキン コーングルテン チキンミール 小麦 食物繊維（ビートパルプ、ライスファイバー、可溶性繊維、セルロース） 米 小麦たんぱく 脱脂大豆 大麦 フィッシュミール 鶏脂 たんぱく加水分解物 酵母 ミネラル類（カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、クロライド、マグネシウム、鉄、銅、マンガン、亜鉛、ヨウ素、セレン） カラメル色素 ビタミン類（A、D、E、K、B1、B2、パントテン酸、ナイアシン、B6、葉酸、ビオチン、B12、コリン、C） アミノ酸類（メチオニン、タウリン、L-カルニチン）
一致率12/16 75%	一致率13/15 87%	一致率12/16 75%

緑色の原材料が多くなっていますが、これは3種類共通して使用されている原材料です(ミネラル以下は省く)。

9割近くで同じ原材料が使用され、その内容を分析するとピュリナワンの原材料の特徴が見えてきます。

原材料を種類ごとに詳しく分けると以下のようになります。

種類	室内飼い猫用 インドアキャット チキン	下部尿路の健康維持 F.L.U.T.H.ケア チキン	メタボリックエネルギー コントロール チキン
肉類	チキン チキンミール フィッシュミール 一致率100%	チキン チキンミール フィッシュミール 一致率100%	チキン チキンミール フィッシュミール 一致率100%
穀類	コーングルテン 小麦 米 小麦タンパク 大麦 一致率100%	コーングルテン 小麦 米 小麦タンパク 大麦 とうもろこし 一致率83%	可溶性繊維 鶏脂 たんぱく加水分解物 酵母 一致率100%
豆類	脱脂大豆 一致率100%	脱脂大豆 一致率100%	脱脂大豆 一致率100%
添加 その他	可溶性繊維 ビートパルプ ライスファイバー セルロース 鶏脂 たんぱく加水分解物 酵母 一致率57%	可溶性繊維 鶏脂 たんぱく加水分解物 酵母 一致率100%	可溶性繊維 ビートパルプ ライスファイバー セルロース 鶏脂 たんぱく加水分解物 酵母 一致率57%

ピュリナワンの全原材料で、同じ原材料が使われている割合の一致率は38/45で84%となっています。

少し分けてみてみると、添加その他以外の一致率が23/24で96%となっていて、高い一致率です。これはメインとなる原材料を共通のものを使っている傾向が強く、栄養素の調整は添加その他で行っていることが分かります。

このことから分かるピュリナワンの特徴は、主原料に肉類を使用し、肉類だけではコストがかかってしまうことから穀類と豆類で調整し、足りない栄養素を足して調整しているということです。

では次に、ロイヤルカナンの原材料を見ていきましょう。

室内で生活する 成猫用	健康な尿を維持したい 成猫用	減量したい 成猫用
小麦 米 肉類（鶏、七面鳥、ダック） 超高消化性植物性タンパク コーン 動物性油脂 加水分解タンパク（鶏、七面鳥、魚） 小麦粉 植物性繊維 ビートパルプ 大豆油 酵母および酵母エキス 魚油 フラクトオリゴ糖 サイリウム アミノ酸類（DL-メチオニン、タウリン、L-カル二チン） ゼオライト ミネラル類（Cl、Ca、K、Na、P、Zn、Mn、Fe、Cu、Se、I） ビタミン類（コリン、E、C、ナイアシン、ビオチン、B2、パントテン酸カルシウム、A、B1、B6、B12、葉酸、D3） 酸化防止剤（ミックストコフェロール、ローズマリーエキス）	超高消化性小麦タンパク コーン 肉類（鶏、七面鳥） 米 小麦 動物性油脂 植物性繊維 コーングルテン 加水分解タンパク（鶏、七面鳥、魚） コーンフラワー ビートパルプ 酵母および酵母エキス 大豆油 魚油 マリーゴールド アミノ酸類（DL-メチオニン、タウリン） ミネラル類（Cl、Na、K、Ca、Zn、Mn、Fe、Cu、I、Se） ビタミン類（コリン、A、D3、E、C、ナイアシン、B2、パントテン酸カルシウム、B1、B6、葉酸、ビオチン、B12） 酸化防止剤（ミックストコフェロール、ローズマリーエキス）	肉類（鶏、七面鳥） 植物性繊維 超高消化性小麦タンパク コーン コーングルテン 米 加水分解タンパク（鶏、七面鳥） コーンフラワー 小麦 動物性油脂 ビートパルプ 酵母および酵母エキス 魚油 サイリウム 大豆油 アミノ酸類（タウリン、L-カルニチン） ミネラル類（Cl、K、Ca、Na、Zn、Mn、Fe、Cu、I、Se） ビタミン類（A、コリン、D3、E、C、ナイアシン、パントテン酸カルシウム、B2、B6、B1、葉酸、ビオチン、B12） 酸化防止剤（ミックストコフェロール、ローズマリーエキス）
一致率14/19 74%	一致率13/18 72%	一致率13/17 76%

種類	室内で生活する 成猫用	健康な尿を維持したい 成猫用	減量したい 成猫用
肉類	肉類（鶏、七面鳥、ダック） 加水分解タンパク（鶏、七面鳥、魚） 一致率67%	肉類（鶏、七面鳥） 加水分解タンパク（鶏、七面鳥、魚） 一致率80%	肉類（鶏、七面鳥） 加水分解タンパク（鶏、七面鳥） 一致率100%
穀類	小麦 米 コーン 小麦粉 一致率75%	超高消化性小麦タンパク コーン コーングルテン コーンフラワー 小麦 米 一致率50%	超高消化性小麦タンパク コーン コーングルテン コーンフラワー 小麦 米 一致率50%
豆類	大豆油 一致率100%	大豆油 一致率100%	大豆油 一致率100%
添加 その他	(超高消化性植物性タンパク) 動物性油脂 植物性繊維 ビートパルプ 酵母および酵母エキス 魚油 フラクトオリゴ糖 サイリウム 一致率63%	動物性油脂 植物性繊維 ビートパルプ 酵母および酵母エキス 魚油 マリーゴールド 一致率83%	動物性油脂 植物性繊維 ビートパルプ 酵母および酵母エキス 魚油 サイリウム 一致率83%

ロイヤルカナンの全原材料で、同じ原材料が使われている割合の一致率は40/54で74%となっています。

メインの肉類や穀類、豆類の一致率が21/31で68%、添加その他の一致率が15/20で75%です。これは栄養素の調整がメインの食材でも行われていて、微調整で添加その他でも行っていると言えます。

ロイヤルカナンは原材料全体で栄養バラランスを調整していると言え、豊富な種類の栄養バランスを適切に調整している証と言えます。

ピュリナワンとロイヤルカナンの種類から見る特徴

ピュリナワンとロイヤルカナンの特徴は主に「販売戦略」「目的別のシリーズ」の2つが特徴的です。それぞれ私たちから見ると、似ている分類のキャットフードかもしれませんが、細かく見ていくと違う点も出てきます。

ここではそんな販売戦略と目的別のシリーズから見る違いについて見ていきましょう。

ピュリナワンは「ニーズの多さに特化」ロイヤルカナンは「すべてのニーズに対応」

ピュリナワンの種類は全部で16種類でごく一般的な多さとなっています。

• 1歳までの子ねこ用／妊娠・授乳期の母猫用
• 美味を求める成猫用　チキン
• 美味を求める成猫用　サーモン＆ツナ
• 避妊・去勢した猫の体重ケア　チキン
• 避妊・去勢した猫の体重ケア　サーモン＆ツナ
• 室内飼い猫用 インドアキャット　チキン
• 室内飼い猫用 インドアキャット　サーモン＆ツナ
• 下部尿路の健康維持 F.L.U.T.H.ケア　チキン
• 下部尿路の健康維持 F.L.U.T.H.ケア　サーモン＆ツナ
• メタボリックエネルギーコントロール　チキン
• グレインフリー（穀物不使用）　チキン
• グレインフリー（穀物不使用）　白身魚
• 健康マルチケア　7歳以上
• 健康マルチケア　11歳以上
• 健康マルチケア　15歳以上
• 優しく腎臓の健康サポート　11歳以上

特にニーズがある目的に特化した種類構成となっています。

一方でロイヤルカナンはニーズの多さ関係なく、すべてのニーズに応えるために全28種類が用意されています。

• アメリカン ショートヘア―専用
• ノルウェージャン フォレスト キャット専用
• ブリティッシュ ショートヘアー専用
• ラグドール専用
• ペルシャ・チンチラ・ヒマラヤン専用
• メインクーン専用
• シャム専用
• おねだりの多い成猫用
• 健康な尿を維持したい成猫用
• 減量したい成猫用
• 毛玉が気になる成猫用
• 健康で美しい皮膚・被毛を保ちたい成猫用
• 歯垢・歯石が気になる成猫用
• 生後すぐからの子猫用
• 成長前期の子猫用
• 成長後期の子猫用
• 避妊・去勢 成猫用
• アロマ・香りで食欲を刺激
• 味わい・食感で食欲を刺激
• 高タンパクな栄養バランスで食欲を刺激
• 標準的な成猫用
• 胃腸が敏感な成猫用
• 室内で生活する成猫用
• 室内で生活する長毛の成猫用
• 避妊・去勢 中高齢猫用
• 室内で生活する中高齢猫用
• 避妊・去勢 高齢猫用
• 12歳以上の高齢猫用

一見種類が多いほうが良いように思うかもしれませんが、多くなればなるほど製造する工程や原材料などの違いが多くなり、一度に同じ商品をたくさん製造することが出来ません。

そのためコストがどうしてもかかり、価格が高くなってしまいがちです。

私たちからすると自分の愛猫に合ったニーズだけあればいいので、種類の多さはあまり魅力とはなりにくいため、ニーズ面でも価格面でもあまりプラス評価とは言えないでしょう。

ただ「どんな種類もある」という事実は、心理面でのメーカーやブランドへの安心感につながり、イメージアップにつながるといった面もあるでしょう。

コスト優先か小さいニーズを優先かによる販売戦略の違い

いずれにしても、コストを抑えてよりニーズに合わせて販売するか、イメージアップと網羅性を武器にして販売するかの違いであり、どちらが良いという決め手にはなりません。

自分の家の環境と愛猫の状態に合わせて、最適な種類を選ぶ必要があるということです。

ピュリナワンには「プロプラン・療法食」ロイヤルカナンには「療法食・プロフェッショナル」がある

ピュリナワンには「プロプラン」という別のシリーズがあり、最先端の科学的知見に基づいて開発されたピュリナの最高峰ブランドがあります。

具体的には「ピュリナ プロプラン」と「ピュリナ プロプラン ベテナリーダイエット」があり、後者のベテナリーダイエットは療法食となっていて、特定の病気用など動物病院への販売も行っています。

ピュリナプロプラン 公式サイトを見る

ロイヤルカナンにも同じような「療法食シリーズ」がありますが、多くの人がもう知っているかもしれませんね。

またロイヤルカナンには「プロフェッショナルシリーズ」があり、特殊な目的である「シェルターで保護された避妊・去勢した成猫用」や「キャットショーに出場する成猫用」などの、細い針の穴ほどのニーズに合わせた種類があります。

私たちにとってはあまり必要は無いかもしれませんが、よりロイヤルカナンは細かい具体的なニーズに対して対応していることが分かりますね。

ロイヤルカナン プロフェッショナル公式オンラインストアを見る

なぜロイヤルカナンは獣医師がおすすめするのかを独自見解

よくネット上で「ロイヤルカナンを獣医師が推奨している」という情報があります。

実際に動物病院で勧めれてなんて人も健康いるのではないでしょうか？

このことについて私が思うには、次の3つのことが絡んでいるのではないかと勝手に推測しています。

ロイヤルカナンはなぜ獣医師推奨なのか？

回答①　「訴えられるのが怖いから無難な選択」

獣医師も人間であり、また訴えられる立場にあります。万が一の時に自分の立場が危うくなるような、誰も知らないとっておきのキャットフードはおすすめできないからでしょう。

ロイヤルカナンはなぜ獣医師推奨なのか？

回答②　「療法食があるから」

ロイヤルカナンには長年にわたり実績のある療法食があります。病気になったときに勧める療法食を取り扱っているから、普段のおすすめもロイヤルカナンにしているのでしょう。

ロイヤルカナンはなぜ獣医師推奨なのか？

回答③　「みんなが勧めているから…」

キャットフードの利益は動物病院の診察料に比べると、大した利益になりません。そのため、そもそもキャットフードに興味がなく有名なみんなが知っているフードを進めているだけでしょう。

ピュリナワンとロイヤルカナンの比較まとめ

ピュリナワンとロイヤルカナンにはそれぞれの特徴があり、愛猫に合った選択を飼い主さん自身がしなければなりません。

どちらも有名で価格帯も近い商品だけあって、常に比較対象にされる商品です。この記事を読んで違いを確認しながら、愛猫に最適なキャットフードを探してあげましょう。