猫が外に出てしまった。近所を呼びながら歩いたけれど、見つからない。
カメラや捕獲器を使う探し方があると聞いたけれど、どう使えばいいのか、どこに届ければいいのかを知りたい。
猫がいなくなると、気持ちばかり焦って、何から手をつければいいか分からなくなります。歩き回って探すだけでは、物陰でじっとしている猫は見つけにくいものです。
ここでは、迷子の猫1,210匹の飼い主に聞いた研究、ペット探偵や動物福祉団体の公開している案内、遺失物法・動物愛護管理法・軽犯罪法の条文をもとに、「痕跡を探す→カメラで確かめる→捕獲器で保護する」の3つのステップと、届け出先をまとめました。
この記事でわかること
- 探す順番は「痕跡を探す→カメラで確かめる→捕まえる」。追いかけない、大声で呼ばない
- 見つかって家が落ち着いたら、毎日のごはんの袋もグランツのように原材料の割合まで分かるものだと見直しやすい
- 捕獲器を使った飼い主の72%が「いちばん役に立った」と答えた調査がある
- 届け出は、警察(遺失届)と保健所・動物愛護センターの両方へ
- チラシを人の家や塀に無断で貼ると、軽犯罪法に触れることがある
捜索がひと段落して家の中が落ち着いたら、毎日のごはんも原材料欄から見直してみませんか。
うちの子が食べるかどうかは、表示からは分かりません。だからこそ、分かるところは先に確かめておく。
グランツは原材料の先頭から「脱水チキン 24.5%」「フレッシュチキン 15.0%」のように、個別名に割合を添えて公開しています。先頭に並ぶ原材料がどれだけ入っているかを、買う前に公式ページで確かめられます。
穀物は不使用。人工の保存料・着色料・香料も使っていないと公式に記載があります。
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【結論】脱走した猫は「近くに隠れている」前提で、3ステップで探す
あなたが今すぐ動けるように、先に要点を5つにまとめます。
- 痕跡を探す:家のまわりを、夜に懐中電灯を持ってゆっくり。名前は静かな声で呼ぶ
- カメラで確かめる:見かけた場所や餌場に、夜も写るセンサーカメラを置く
- 捕まえる:近づいて逃げるなら、追わずに捕獲器を使う。設置中はそばで見守る
- 届け出る:警察には遺失届、保健所・動物愛護センターには電話で
- 知らせる:チラシは家ごとにポストへ。貼るときは必ず持ち主の許可を取る
いちばん大切なのは、怖がっている猫は、呼んでも出てこないと知っておくことです。見つからないのは遠くへ行ったからとは限りません。
16年猫と暮らしていても、玄関が開いた一瞬のひやりとする感じには、いまも慣れません。
脱走した猫を探す3つのステップ【調査と専門家の案内から】
ここからは、3つのステップを順番に見ていきます。いなくなったのは、ふだん外に出ない猫でしょうか。
室内だけで暮らす猫は、逃げた場所の近くで見つかることが多いと分かっています。どれくらい近いかは、迷子の猫が見つかった距離をまとめた記事で詳しく紹介しました。
ステップ1:痕跡を探す|夜に、懐中電灯で、静かに
最初にするのは、猫がいそうな場所の手がかりを集めることです。毛、足あと、ふんや尿のにおいなど、ふだんと違うものがないか見て回りましょう。
オーストラリアの大学が迷子の猫1,210匹の飼い主に聞いた調査では、夜に懐中電灯を持って近所を歩いた人が73%いました。猫が生きて見つかった人のうち、その方法を「いちばん役に立った」と答えたのは53%です(Huang ほか, 2018年)。
ペット探偵のペットレスキューは、よくある失敗として次の3つを挙げています。
- 大声で名前を呼ぶ:驚いて逃げたり隠れたりする。家にいるときと同じ、落ち着いた声で呼ぶ
- 家のまわりにごはんだけ置く:どの猫が食べたか分からず、ほかの猫を呼び寄せてしまう
- 猫砂をまく:ほかの猫にマーキングされて、戻りにくくなることがある
迷子の猫は、しばらくすると決まった餌場の近くにとどまることが多いそうです。野良猫がいつも集まる場所を見つけたら、地図に書き込んでおきましょう。
ステップ2:カメラで確かめる|夜も写る機種を、餌場に
痕跡や目撃情報が見つかったら、その猫が本当にあなたの猫かを確かめます。そこで役に立つのが、動くものに反応して自動で撮るセンサーカメラ(トレイルカメラ)です。
同じ調査で、捕獲などの方法を使った飼い主のうち38%がカメラを使い、見つかった人の58%が「いちばん役に立った」と答えていました。
- 夜に写る:猫が動くのは夜が多い。赤外線で暗くても撮れるもの
- 雨に強い:屋外に何日も置くので、防水のもの
- 電源と確認:電池で動き、撮った画像をその場で見られると扱いやすい
ペットレスキューは、餌をあげている人に「その猫は来ていない」と言われても、丁寧にお願いして最低2日はカメラを置かせてもらうよう勧めています。人の敷地に置くときは、必ず持ち主に話して許可をもらいましょう。
わが家の子たちも、呼ばれて寄ってくる子と物陰で固まる子がいそうで、カメラや捕獲器の話は人ごとではありません。
ステップ3:捕まえる|逃げるなら、追わずに捕獲器
カメラで姿が確かめられたら、いよいよ保護です。猫が落ち着いていれば、低くしゃがんで静かに名前を呼び、様子を見ながら手で保護します。
ただ、家では人なつこい猫でも、外では別人のように警戒することがあります。追いかけるほど、猫は怖がって場所を変えてしまうので、緊張しているようなら、いったん離れて捕獲器を使いましょう。
迷子の猫の調査では、捕獲などの方法を使った飼い主の88%が捕獲器を使っていました。生きて見つかった人のうち、72%が「いちばん役に立った」と答えています。
| 方法 | 使った人の割合 | 見つかった人が「いちばん役立った」と答えた割合 |
|---|---|---|
| 夜に懐中電灯で近所を歩く | 73% | 53% |
| 近所の人に声をかけ、探してもらう | 85% | 57% |
| センサーカメラなどで姿を確かめる | 38%(捕獲などを使った人のうち) | 58% |
| 捕獲器を使う | 88%(捕獲などを使った人のうち) | 72% |
Huang ほか, Animals 8(1):5, 2018 の表5から抜き出した数字です。自分で応募した飼い主のアンケートで、回答者や方法ごとに母数が違います。
上の表は調査の数字をそのまま並べたもので、方法の優劣を付けたものではありません。いくつかの方法を組み合わせて使うのが基本です。
捕獲器はどこで借りる?使うときの約束
捕獲器は、自治体(保健所・動物愛護センター・役所)、動物病院、保護団体などが貸し出していることがあります。まずは住んでいる地域の窓口に電話で聞いてみましょう。
東京の公益社団法人日本動物福祉協会も捕獲器を貸し出していますが、会員向けで、野良猫の不妊・去勢手術を広める目的が中心です。事務局から1時間半ほどの範囲に限られ、目的によっては借りられないこともあります。同協会は、使うときの約束として次の点を挙げています。
- 設置している間は、捕獲器が見える場所から見守る
- 捕まえたら、すみやかに移動して保護する
- 人の土地に置くときは、持ち主の許可を取る
警察と保健所・動物愛護センターへの届け出
探すのと同時に、届け出も済ませておきましょう。なぜ警察と自治体の両方に連絡するのでしょうか。
拾われた猫は、警察か自治体のどちらかへ行く
遺失物法では、迷子の猫を拾った人は警察署長に届けるのが原則です。ただし、動物愛護管理法にもとづいて、都道府県等(保健所・動物愛護センター)に引き取りを求めた場合は、警察へ届ける決まりは当てはまりません(遺失物法 第4条第3項)。
つまり、保護された猫の行き先は警察と自治体の2つに分かれるということです。どちらにも連絡しておけば、情報の行き違いを減らせます。
- 警察:最寄りの警察署・交番で遺失届を出す。多くの都道府県で、警察庁のサイトからオンラインでも出せる
- 保健所・動物愛護センター:住んでいる地域と、となりの市区町村にも電話する
- 動物病院:保護した人が健康診断に連れて行くことがある。近くの病院にチラシを置かせてもらう
動物愛護管理法は、引き取った犬や猫について、飼い主がいそうなら探して返すよう自治体に努めることを求めています(第35条第4項)。首輪やマイクロチップの情報は、そのときの大きな手がかりになります。
チラシとポスターで、近所に知らせる
一人で歩いて探せる範囲には限りがあります。近所の人に知ってもらうには、どうすればいいのでしょうか。
配る範囲は、日にちとともに広げる
ペットレスキューは、迷子チラシを配る範囲の目安を次のように示しています。
- いなくなって7日以内:半径300mまで
- 1か月以内:半径500mまで
- 1か月以上:半径1kmまで
一戸建ての多い住宅地なら、半径300mでおよそ1,000枚が必要だそうです。配り漏れた家の庭に隠れていることもあるので、地図で配った範囲を消していくと抜けを防げます。
チラシに載せること
- 猫の写真(色や柄が分かるカラー)と名前
- いちばん目立つ特徴を1つ(例:しっぽの曲がったキジトラ)
- いなくなった日と場所
- 連絡先(電話とメール)
- 「スマホで撮って保存してください」というお願い
特徴をたくさん並べるより、1つに絞ったほうが覚えてもらいやすいとペットレスキューは書いています。似た猫が多い地域では、とくに大切なポイントです。
チラシに載せる写真や特徴は、元気なうちに家族で決めておくと、いざというときに慌てずにすむと思います。
貼るときは、必ず持ち主の許可を取る
人の家や塀、電柱などにチラシを無断で貼るのはやめましょう。軽犯罪法は、みだりに他人の家屋その他の工作物にはり札をした者を、拘留または科料に処すると定めています(第1条第33号)。
お店や掲示板に貼りたいときは、その場の管理者に頼みます。夜遅いポスティングや、大勢で大声を出しながらの捜索も、近所とのトラブルのもとになるとペットレスキューは注意しています。
アプリの迷子掲示板も使う
ほぼ日のアプリ「ドコノコ」には、位置情報を使ってご近所のユーザーに迷子を知らせる「迷子掲示板」があります。登録したプロフィールからチラシも作れて、コンビニなどで印刷が可能です。
同じページでは、ペットレスキュー代表が監修した「迷子猫捜しマニュアル」も公開中。印刷して家族で分けて持てば、手分けして探しやすくなるでしょう。
見つかったら|体のチェックと、もう逃がさない工夫
無事に見つかったら、まずはけがや体調を確かめます。呼吸が荒い、水も飲まない、歩き方がおかしい。そんなときは、その日のうちに動物病院で診てもらいましょう。
病気の子を何匹も見送ってきた身としては、帰ってきた日こそ、外での疲れが出ていないか先生に診てほしいと思います。
落ち着いたら、どこから出たのかを家族で確かめて、同じ場所をふさぎます。玄関なら、にゃんがーどの値段と設置条件の記事のような脱走防止の扉も選択肢です。
家の中が落ち着いたら、ふだんのごはんも見直しておきたいところです。肉の割合まで分かる袋の読み方は、グランツの原材料を割合の順に紹介した記事にまとめました。袋の裏の1番目を見て選び直したフードの話や、買う前に見送った理由を並べたまとめもあわせてどうぞ。
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脱走した猫の探し方でよくある質問
探している途中で、あなたが迷いそうなことはどれでしょうか。よく出る質問を4つ取り上げます。
Q1. 家のまわりにごはんを置いておけば、戻ってきますか?
ほかの猫を呼び寄せてしまい、どの猫が食べたかも分かりません。置くなら、センサーカメラをいっしょに置いて、来ている猫を確かめましょう。
Q2. 猫を見つけたのに、近づくと逃げてしまいます。
追いかけると、さらに怖がって場所を変えてしまいます。いったん離れて、猫が通る場所に捕獲器を置き、見える場所から見守りましょう。
Q3. 警察に届けても、探してもらえるのですか?
警察が捜索するわけではありませんが、迷子の猫を拾った人が警察に届けることがあります。遺失届を出しておくと、その情報と、つながる手がかりになります。
Q4. 捕獲器はどこで手に入りますか?
自治体、動物病院、保護団体などが貸し出していることがあります。貸し出しの目的や範囲に条件がある場合も多いので、まず電話で聞いてみましょう。
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まとめ:脱走した猫は、あわてず3ステップと届け出を並行して
最後に、脱走した猫の探し方を振り返ります。
この記事のまとめ
- 痕跡探しは夜に懐中電灯で。大声で呼ばず、ごはんや砂を外にまかない
- 見かけた場所や餌場に、夜も写るセンサーカメラを置いて確かめる
- 逃げる猫は追わずに捕獲器で。設置中はそばで見守る
- 警察の遺失届と、保健所・動物愛護センターへの連絡は両方
- チラシは許可なく貼らない。配る範囲は日にちとともに広げる
迷子の猫探しは、探すことと知らせることを同時に進めるのが基本です。できることから、今日始めましょう。
猫との暮らしの記事は、happycatlife のトップページからも探せます。
この記事で確かめた資料
- Huang L ほか. Search Methods Used to Locate Missing Cats and Locations Where Missing Cats Are Found. Animals 8(1):5, 2018(PMC5789300・表5)
- 遺失物法 第4条、動物の愛護及び管理に関する法律 第35条、軽犯罪法 第1条第33号(e-Gov 法令検索)
- 警察庁「落とし物の届出・検索」
- 公益社団法人日本動物福祉協会「猫の捕獲器の貸し出しについて」
- ペットレスキュー「迷子捜しQ&A」「迷子チラシ」、ほぼ日「ドコノコ 迷子捜し」