子猫を迎えたけれど、子猫用のフードと成猫用で何が違うのか分からない。どれを選んで、1日にどのくらいあげればいいのか知りたい。
成猫用に切り替える時期や、食べないときのことも気になる。
子猫は生まれてから1年ほどで、体重が何倍にもなります。この時期のごはんは、成猫とは必要な栄養の量そのものが違います。
この記事では、米国の飼料の基準(AAFCO)、ペットフード協会の公開資料、猫の年齢別の国際的な指針をもとに、子猫用キャットフードの選び方と与え方をまとめました。体重から1日の量を出せる計算フォームもあります。
この記事でわかること
- 子猫には「総合栄養食」で「子猫用」か「全成長段階用」と書かれたフードを
- 子猫のうちから同じ袋で続けたいなら、全年齢用で原材料の割合まで分かるグランツのようなフードも選べる
- 子猫の基準は、たんぱく質やカルシウムなどが成猫より高い
- 生後10週は体重1kgあたり250kcalと、成猫の3倍以上が必要
- 成猫用への切り替えは1歳ごろが目安。7〜10日かけて少しずつ
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【結論】子猫には「子猫用」か「全成長段階用」の総合栄養食を、体重に合わせた量で
先に、子猫のフード選びと与え方をまとめます。
- 選ぶ:「総合栄養食」と書かれ、対象が子猫(成長期)か全成長段階のもの
- 量:週齢と体重から1日の量を出し、袋の給与量と照らし合わせる
- 回数:1日の量を何回かに分ける。袋の給与方法を目安に
- 切り替え:成猫用へは1歳ごろが目安。7〜10日かけて混ぜながら
子猫の体は日ごとに変わります。体重を週に1回は量って、量を見直していきましょう。
子猫用キャットフードの選び方【成猫用との違いと表示の見方】
子猫用と成猫用では、何が違うのでしょうか。基準の数字と、袋の表示の読み方を順に見ていきます。
① 「総合栄養食」で、対象が子猫か全成長段階のもの
ペットフード公正取引協議会のルールでは、総合栄養食にはどの成長段階向けかが書かれています。子猫に与えるなら、「成長期(子猫)用」か「全成長段階用(全年齢用)」と書かれたものを選びましょう。
「成猫用」「維持期用」とだけ書かれたフードは、成長期の基準を満たしているとは限りません。一般食やおやつは、総合栄養食と組み合わせて与えるものです。
② 子猫の基準は、たんぱく質やカルシウムが成猫より高い
国内の総合栄養食は、アメリカのAAFCOという団体が定めた栄養基準を土台にしています。2026年に韓国の研究チームが整理したAAFCOの最低値を、子猫と成猫で並べました。
| 栄養素(1,000kcalあたり) | 子猫(成長期) | 成猫(維持期) |
|---|---|---|
| たんぱく質 | 75g | 65g |
| アルギニン | 3.10g | 2.60g |
| リジン | 3.00g | 2.08g |
| メチオニン | 1.55g | 0.50g |
| カルシウム | 2.50g | 1.50g |
| リン | 2.00g | 1.25g |
| マグネシウム | 0.20g | 0.10g |
| 脂質 | 22.5g | 22.5g |
| タウリン(ドライ) | 0.25g | 0.25g |
出典:Cho HW ほか, Animals 16(6):909, 2026 の表4・5(AAFCO の最低値)。基準を並べたもので、商品の順位ではありません。
たんぱく質や、骨をつくるカルシウム・リンは、子猫のほうが高い基準になっています。一方、脂質やタウリンのように、子猫と成猫で同じ値の栄養素も。
同じ研究では、市販の子猫用フード17品を調べ、EPAとDHAが基準を下回るものが41%あったという報告でした。袋の数字だけでは分からないこともあるので、総合栄養食の表示を基本に選ぶのが確かです。
③ 袋のたんぱく質・脂質は「以上」の数字
ペットフード協会によると、袋の成分表示ではたんぱく質と脂質は最低限の量を保証する「以上」、水分・粗繊維・灰分は最大量の「以下」で書かれています。
水分10%程度以下のドライと75%程度のウェット(ペットフード協会)では、袋に書かれたたんぱく質の%を横に並べても意味がありません。比べるときは水分を除いた値で見るのが基本です。
④ 猫に欠かせない栄養は、動物性の食べ物から
ペットフード協会は、猫はタウリンやアラキドン酸を体の中で十分につくれず、野菜のカロチンからビタミンAをつくることもできないと説明しています。これらは肉や魚などの動物性の食べ物にしか含まれません。
原材料の最初のほうに肉や魚が書かれているかも、選ぶときの手がかりになります。子猫のころから、原材料の欄を読む習慣をつけておきましょう。
⑤ いろいろな形と味に、少しずつ慣らしておく
2021年に米国の2団体(AAHA・AAFP)がまとめた年齢別の指針では、子猫の好みは母猫から大きな影響を受けるものの、成猫になってからの経験でも変わりうるとされています。
子猫のうちにドライとウェット、いくつかの味に慣れておくと、のちに療法食などへ切り替えるときにも役立ちます。新しいフードは、いつものフードに少しずつ混ぜて試しましょう。
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子猫に与える量と回数の目安
子猫は体重あたりに必要なエネルギーが多く、週齢によって大きく変わります。
週齢ごとに必要なエネルギー
ペットフード協会が示す、週齢ごとの1日のエネルギー要求量は次のとおりです。
- 10週(オス1.1kg・メス0.9kgほど):体重1kgあたり250kcal
- 20週(オス2.5kg・メス1.9kgほど):130kcal
- 30週(オス3.5kg・メス2.7kgほど):100kcal
- 40週(オス4.0kg・メス3.0kgほど):80kcal
- 成猫(50週以上):あまり動かない猫70kcal、よく動く猫80kcal
10週の子猫は、体重1kgあたり250kcal。不活発な成猫の70kcalの3倍以上です。2021年の指針も、10週の子猫は1kgあたり200kcal、10か月では80kcalとしています。
1日の量を計算してみる
上の一覧の数字と、子猫の体重、フードのカロリーを入れると、1日に与える量の目安が出ます。
子猫の1日の量を計算する
たとえば20週・2kgの子猫に、100gあたり400kcalのフードなら、130×2÷400×100=65gです。袋に書かれた給与量とも照らし合わせ、体重の増え方を見ながら調整しましょう。
回数は、1日の量を何回かに分けて
ペットフード協会は、1日の量を食事の回数で割って1回の量を決めるよう説明しています。成猫では1日1〜3回で、できるだけ朝晩の2回以上が望ましい、というのが協会の説明です。
子猫は一度にたくさん食べられないため、袋の給与方法を目安に、成猫より多めの回数に分けると食べやすくなります。置きっぱなしにすると食べすぎにつながりやすいと指針は指摘しているので、量を決めて出しましょう。回数の考え方はウェットの回数と分け方の記事でもくわしく紹介しています。
離乳と、成猫用への切り替え時期
子猫のフードには、始めどきと終わりどきがあります。
離乳は生後3〜5週ごろから
2021年の指針によると、子猫は生後3〜5週ごろから、栄養のそろった子猫用のフードで離乳を始められます。お湯でふやかしたドライや、ペースト状のウェットから慣らしていくのが一般的です。
母猫がいない子猫や、体重が増えない子猫は、ミルクの量や離乳の進め方を動物病院で相談しましょう。下痢が続くときも、早めの受診が安心です。
成猫用への切り替えは1歳ごろ。7〜10日かけて
指針は、子猫期を1歳までと区切っています。成猫用への切り替えは1歳ごろが目安で、新しいフードへは7〜10日かけて少しずつ移るのがよいとされます。
全成長段階用のフードを使っているなら、1歳を過ぎても同じフードで問題ありません。その場合も、成長が止まるにつれて必要なカロリーは下がるので、量は体重を見ながら減らしていきます。
去勢・避妊のあとは、太りやすくなる
指針は、去勢・避妊は肥満の要因の1つで、特にオスで影響が大きいとしています。手術のあとは体重とボディコンディションを見ながら、カロリーを調整しましょう。
子猫がフードを食べないとき
子猫が急に食べなくなると心配になります。考えられることと、受診の目安を整理しました。

- 環境の変化:迎えたばかり、引っ越し、新しい家族が増えたなど
- フードの形や温度:粒が大きい・硬い、冷たいウェット
- 口や歯:乳歯から永久歯に生え変わる時期
- 体調:下痢、吐く、熱っぽい、元気がない
子猫は体が小さく、食べない時間が続くと体力を落としやすいもの。半日〜1日食べない、下痢や吐くことが続く、ぐったりしているときは、早めに動物病院へ連れて行きましょう。
静かな場所に器を置く、ウェットを人肌に温める、ドライをお湯でふやかすなどの工夫で食べることもあります。
全年齢用のフードなら、子猫から同じ袋で続けられる
全成長段階用(全年齢用)の総合栄養食なら、子猫のころから成猫になっても同じフードを続けられます。切り替えの手間が少なく、多頭飼いで年齢の違う猫がいる家でも使いやすいのが利点です。

運営者が使っているグランツは、3つの味とも全年齢用です。袋には原材料の割合まで書かれています。中身をくわしく知りたい方は、チキン&サーモンの配合率を読み解いた記事をどうぞ。

ほかのフードと見比べるなら、原材料を確かめた市販のフード18品や袋の表示から選ばなかった理由の記事も参考になります。
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子猫のキャットフードでよくある質問
子猫のごはんについて、よく聞かれる疑問をまとめました。
Q1. 子猫に成猫用のフードをあげてもいいですか?
成猫用(維持期用)は、成長期の基準を満たしているとは限りません。子猫には「子猫用」か「全成長段階用」の総合栄養食を選びましょう。
Q2. 子猫用はいつまで与えればいいですか?
1歳ごろが目安です。成猫用に切り替えるときは、7〜10日かけて少しずつ混ぜる割合を増やします。全成長段階用なら、そのまま続けられます。
Q3. ドライとウェット、どちらがいいですか?
総合栄養食と書かれていれば、どちらでも主食にして大丈夫です。子猫のうちに両方に慣らしておくと、のちのフードの切り替えが楽になることがあります。
Q4. 子猫におやつをあげてもいいですか?
おやつ(間食)の量は、1日のカロリーの2割までに抑えるのが基本です。成長期は主食をしっかり食べることを優先し、おやつは少しにとどめましょう。
まとめ:子猫用フードは表示で選び、体重を見ながら量を決める
子猫のフード選びで大切なことを、5つに絞りました。
この記事のまとめ
- 「総合栄養食」で、子猫用か全成長段階用と書かれたものを選ぶ
- 子猫の基準は、たんぱく質・カルシウム・リンなどが成猫より高い
- 10週の子猫は体重1kgあたり250kcal。週齢と体重で量を決める
- 1日の量は何回かに分け、置きっぱなしにしない
- 成猫用へは1歳ごろ、7〜10日かけて切り替える
子猫の1年は、体をつくる大切な時期です。体重を量りながら、その子に合った量を見つけていきましょう。
キャットフード選びの全体は、トップのフード一覧から読めます。
参考にした資料
- ペットフード協会のウェブページ「ペットフードの給与方法」
- ペットフード公正取引協議会「表示の基礎知識」
- Cho HW ほか. Nutritional evaluation of commercial dog and cat foods based on key nutrient requirements. Animals 16(6):909, 2026(PMC13023309)
- Quimby J ほか. 2021 AAHA/AAFP feline life stage guidelines. J Feline Med Surg 23(3):211-233, 2021(PMC10812130)