しっぽがないのが特徴のマンクス。
そのまんまるのフォルムはとてもかわいらしくて、愛おしいものです。
しかしマンクスは、先天的奇形を抱えていることから、必要な栄養素も変わってきます。
この記事ではマンクスの特徴から必要な栄養素、飼う時の注意点までを解説。ぜひ最後まで読んでもらって、幸せな猫暮らしをしていきましょう。
しっぽが無いまん丸マンクスの特徴

マンクスはイギリスの「マン島」が発祥の地とされる、しっぽがない、あるいはとても短いのが特徴の猫です。
しっぽがないのは、進化の過程で「島」という隔離された環境で育った経緯があり、近親交配をされることによって突然変異が起き、その遺伝子が定着しました。
またしっぽがないため、お尻を始めとする体全体も丸みがあり、前足よりも後ろ足が長いのも特徴で、その筋肉質の後ろ脚によって高いジャンプ力も持ち合わせています。
ただそのかわいさ反面、しっぽが全くない種類においては、90%の割合で先天的の奇形性も有ることから、特有の病気を抱えていることも多々あります。
マンクスがなりやすい病気

マンクス症候群
マンクス症候群は、DNAの中で遺伝情報を伝える遺伝子に異常があり、生まれる前の状態から、先天的に脊椎(背骨)の奇形や脊髄の不全を抱えていて、様々なところに異常が出てしまう障害のことを言います。
主な異常は、
- 排尿・排便の問題:神経系の異常が原因で、尿失禁や便秘、排便困難などの症状が現れることがあります。
- 歩行障害:後脚の弱さや麻痺を引き起こすことがあります。これは神経の障害に起因するもので、重症の場合には歩行が困難となることもあります。
- 脊柱の異常:脊柱の曲がりや変形が見られることがあります。
などがあり、マンクス全体の20%の割合でシッポ以外の先天的奇形が見られます。
猫伝染性腹膜炎(FIP)
猫伝染性腹膜炎(FIP)は、猫コロナウイルスが変異して引き起こされる病気で、主な形態としては「ウェット型FIP」では腹水や胸水の蓄積が特徴で、「ドライ型FIP」では多くの臓器に炎症や結節が現れます。
長らくFIPは治療が難しい病気とされてきましたが、近年、特定の抗ウイルス薬による治療が研究され、一部の猫で効果が報告。しかし治療は高額である場合が多く、すべての猫で効果があるわけではありません。
そんなFIPをマンクス猫が発症する確率は、雑種猫より高くなっています。
雑種猫のFIPを持っている確率が0.35%(33/9511匹)だったのに対して、マンクス猫は1.5%(1/67匹)、データ数が少ないものの、約4倍程度FIPにかかる可能性が高いデータ※があります。
そのほかの純血種全体を含めても1.3%(27/2024匹)となっていて、雑種以外の純血種でFIPの発症率が高くなっています。
下部尿路症候群(LUTD)
下部尿路症候群(Lower Urinary Tract Disease: LUTD)は、猫の尿道や尿路に起きる異常や、尿石などの一般的な病態のことを指します。
マンクスは脊髄の先端部分が欠損しているため、膀胱や直腸の神経機能に影響を与える可能性があり、下部尿路症候群になりやすいと考えられます。
便秘
尻尾や腰を構成する骨の変形が強いと、神経を圧迫して排便する力が弱まり、結果として便秘になってしまうことがあります。
水分補給など、便秘を予防するための対処を、しっかりと行う必要があります。
【欲しい栄養素】必要なキャットフードの特徴

マンクス猫はその遺伝子異常による体質から、キャットフードに求める栄養素が違ってきます。
ここではマンクス特有の体質に対して、必要な栄養素を解説していきます。
① ウェットタイプのフード
栄養素ではないですが、まず大切なのが水分補給です。
便秘が多いマンクスは、便が体内でとどまる時間が長くなり、便が固くなりがちのため、水分をたっぷり含んでウェットタイプのフードが向いています。
最近では、良質なウェットフードも増えていて、まずはウェットタイプのフードから探してみることが、マンクスに最適なキャットフードを見つけることに繋がります。
② 食物繊維
便が体内に長くとどまっていると、毛玉も同時に長くとどまる可能性が高くなります。
そうした時にマンクスの消化器系の負担を減らすために、定期的に便と一緒に排出させることが必要で、食物繊維の摂取は重要になってきます。
③ オメガ3脂肪酸
オメガ3脂肪酸は、油を摂取することで体内に取り込むことができます。
油の直接的な効果の、便の流れをスムーズにするオイル効果や、腸内環境を整える善玉菌のえさとなることから、オメガ3脂肪酸の摂取は重要になってきます。
④ 乳酸菌
乳酸菌は炭水化物といった糖類などを分解して、乳酸を作り出します。
その乳酸は、腸内を酸性にして悪玉菌の増殖を抑制する働きがあり、大腸に刺激を与えて腸の運動を活性化して、腸内の健康をサポートする働きがあります。
番外:フード以外では水分補給が特に重要
便秘になりがちなマンクスにとって、水分補給は特に大切で、日ごろから気軽にストレスなく水分補給できる環境を用意することが大切です。
水飲み場を多く用意するなどの対策を、行ってあげるようにしましょう。
マンクスにおすすめのキャットフード

ドライフードを選ぶなら、便の流れや被毛をサポートするオメガ3脂肪酸が摂れるグレインフリーが向いています。ここでは魚由来のオメガ3がしっかり摂れる2種を紹介します(いずれもドライのため、前述の水分補給の工夫とあわせてご活用ください)。
① モグニャン|白身魚のオメガ3、消化にやさしいグレインフリー
白身魚をメインに使ったグレインフリーフードで、オメガ3脂肪酸を含み、便の流れや被毛のコンディションをサポートします。動物性タンパクが豊富でありながら魚ベースで消化にやさしく、お腹がデリケートなマンクスにも合わせやすいのが魅力。香り高くクセが少ないので切り替え先としても選びやすく、ぬるま湯やウェットのトッピングで水分を足しやすいのもポイントです。
\白身魚 × オメガ3/
② カナガン|高タンパク、オメガ3で被毛・コンディションをサポート
骨抜きチキンをたっぷり使った高タンパクのグレインフリー。後ろ脚が発達し運動能力の高いマンクスの体づくりを、良質な動物性タンパクで支えます。サーモンオイル由来のオメガ3も配合。香りがよく食いつきの良さに定評があり、ふやかしても風味が出やすいので、水分を足したい子にもおすすめです。
\高タンパク × オメガ3/
そのほかの選択肢
新鮮なチキンとサーモンを使ったグレインフリーのグランツも、サーモン由来のオメガ3が摂れる選択肢です。体重が気になる場合は、低脂肪・低カロリー設計のモグニャンライトもあります。便秘・毛玉・腸内環境のケアで食物繊維や乳酸菌などを重視したい場合は、各商品の成分表示もあわせて確認し、毎日のブラッシングと水分補給を習慣にしましょう。
シッポの種類で呼び方が違う?

マンクスはシッポの長さによって、呼び方が変わってきます。
ランピー (Rumpy):
- 完全に尾がないマンクス猫を指します。肛門の上には窪みや小さなくぼみだけが見られます。
ランピーライザー (Rumpy Riser):
- 小さな尾があるマンクス猫を指します。この小さな尾は、通常、数本の骨から成っており、肛門のすぐ上に上向きに突き出しています。
スタンピー (Stumpy):
- 短い尾を持つマンクス猫を指しますが、ランピーライザーよりもやや長い。この短い尾には、正常な尾よりも少ない数の骨が含まれています。
ロンギー (Longy):
- 通常の尾の長さに近い、もしくは通常の尾を持つマンクス猫を指します。ただし、通常の猫種と比較してもやや短めであることが多いです。
全くしっぽのないランピーは、奇形性を持つマンクスの中でも90%を占め、そのほとんどがランピーとなっています。
またランピー同士の交配も、流産や死産の危険性が高まり、誕生した直後や成猫になってから腸や膀胱の異常などで死んでしまうこともあります。
そのためランピー同士の交配は専門的知識が必要になります。
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マンクスは毛の短い短毛種でありながら、被毛が2層になっている「ダブルコート」です。
そのため毛の絡まりは少ないですが、抜け毛の多さはかなりの量が抜け落ちます。できれば毎日のブラッシングを行う、最低でも週2~3回程度のブラッシングをするようにしましょう。
そうすることで、マンクスの飲み込む毛の量を減らすことができ、体の負担を減らすことができます。
しっぽの付け根に注意⁉ マンクスを飼う時の注意点

マンクス遺伝子異常による骨の疾患があるため、しっぽの付け根付近は敏感になっています。
あまり刺激しないようにして、ストレスを与えないようにしましょう。
またマンクスは後ろ脚の筋肉が発達しているため、ジャンプ力がとてもあります。
そのため高いところにも届いてしまうことから、窓や低めの柵などは飛び越えてしまうため、脱走しないように注意しましょう。